朝だ

朝が来てしまった

今日も学校が始まる

鬱だ

いや、別にいじめられているわけではないんだが

理由が3つある

・めんどくさい

・だるい

・後ろのこいつ絶対ついて来る

後ろのこいつとは、当然幽霊(ミカ)である。

このいわくつきの物件に住んでいる。

まぁ、いざとなったら聖水でもぶっかければ解決するだろう。

後ろのこいつは幽霊のはずなんだが、

見る限り、あんまり怖くない

ちなみに!俺の幽霊の想像は!

1、血が出ている

2、無表情である

3、突然消えたり、出てきたりする


この女にはそんな要素は皆無に等しかった

俺が起きようとして、洗面所に向かおうとすると、猫のようについて来た

鏡には映らんが、なんか近くに居ると落ちつかなかった

いわくつき物件をわざわざ選んで、幽霊を探す為に選んだ人がこの部屋に居座ると、

間違いなく、文句を言ってくるくらい皆無だった

つーか怖くなかった



今はある意味怖い

目を輝かせながらこちらをじっと見つめている

準備が整って、登校しようとした時、そいつも立ちあがりやがった

はい!こいつついて来るね!絶対!!

こんな時は念仏を唱えればいいのだが、

こんな道の真ん中でブツブツ言ってると、

下手すりゃ警察沙汰になるので辞めた




そして、ついに登校してしまった。

マンションの下に犬の死体が落ちていた。最悪

歩いている途中に、こんな考えを思いついた

電話で『ぼくちん、腹痛でーす☆ごめんね♪』

と仮病使えば完璧じゃなかったのか!?


と考えているときに友人が来た

『おーっす!おはよう乃村!』

俺は、塀の上にあったブロックを持って

こいつの頭を叩き割ろうかと思ったが、

それこそ警察沙汰になるので辞めた

『そういえばお前一人暮らしするんだってな!!
どうだ?一人で住むってのは?』

うん、全然一人じゃないよ。

『いやー。楽だわ楽!いわくつきの物件だから無料にしてくれたしよ!』

友達の顔が一瞬で凍りついた

『ああ………あの部屋か。がんばれ!!!』

そう友達が言うと、走って学校に向かって行った

よし帰ろう。

そして仮病ろう。

と思った瞬間、

話していたのが長かった。

そこはもう校門前だった

隣で、ミカが俺の袖をつかんで歩いていた








ここは教室、

ショートホームが始まり、いつもの朝が始まった

このクソ幽霊が俺の膝に座りやがった

ああん!もう!見えん!!黒板の字が見えん!!!!

俺は、頭をゆらして、先生が書いた文字を読もうとしたが、

『何してんの?』

皆には、不思議な踊りをやっていたようにしか見えなかったらしい。

実際、MP盗られた人もいるだろう。

完全に集中力を失くして、寝ている奴が居た



休み時間になった後、

意外にも、あの不思議な踊りの話題は語られなかった。

その代り、そのいわくつきの物件の話がてんこ盛りで俺の所に降りかかってきた

『なぁ乃村!お前あのおっかねえ部屋に引っ越したんだよな!?』

『幽霊出た!?幽霊!!』

ええ。出ましたよ。今ここに居るよ

『御札合った!?どんな感じだった!?』

あったけど、手が滑ってカレーまみれになりました

『ねぇ!ねぇ!今度乃村君のお家に来てもいいかな?』

勝手にし………なんだかミカが不機嫌になっていた

『辞めた方がいいぞ』

危険を察したのか、俺は無意識にそう言った

そして嵐のような休み時間が終わり、また次の2時間目の化学が始まった

化学担任の林田先生。今日も分かりやすいお鬘だった

ミカが大爆笑していた

俺には、ものすごくうるさく、不愉快だったが、周りの皆は全く聞こえていないようだった

そして、その大爆笑が10分くらい続いた後、

教卓の所に移動し、

ミカはその鬘の上に手を乗せ

鬘を払った

窓にゴールインした

『ぬはらぁ!!!』

林田先生が、ものすごい大声で叫んだ後、窓にまたがり、

飛んでった鬘に向かってダイブした

下でドン!!という大きな音が聞こえたが、

この後自習になったので、この時間をどう有効活用しようか考えた

考えてこの時間は                  終わった




先生が窓からダイブしたため今日は早く帰れると思ったが、

先生は大した怪我をしていなかったため、いつも通りの生活だそうだ

ちっ!!デブ鬘が!!どうせなら死んどけ!!最低死んとけ!!

そして、3時間目は体育だった

ふっふっふ!俺はスポーツは好きな方だ!

なぜなら!!今まで俺が所属したチームは負けた事が無いからだ!!

たとえ、最初に5店くらい盗られたとしても、後半戦で逆転してやるから!周りが!!

さぁ!!今日はどんなスポ

『今日は3キロマラソンをしたいと思います』

俺は殺意が湧いた

1日に3回も殺意が湧くとなるとは。

一回目の奴はもう死んでいるのでどうにもならなかったが

正直、この殺意はマラソンに向けられないかと思った

つーかマラソン考えた奴死ね

『いちについて!よーい!!』

嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!悪魔の合図が!悪魔の合図がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!




そして、乾いた音が空に響き渡った

拷問の始まりだ

50歩走ったところでばてそうになった

そういえば、ミカはどこに居るんだろう

前を見ると、奴は浮きながら透けながら障害物も当たらねえ体で

鳥のように滑空していた

おい!!卑怯だぞ!!クソ野郎ぃぉおぉぉぉぉぉぉおぉぉおぉぉぉぉぉ!!!







そして、今日の拷問は終了した

『えっ!?俺の順位!?そりゃあ一位だったよ!!後ろから!!』

友人が、質問してきやがったので返答した。

ミカは笑っていた

まだ余裕の顔で笑っていた

『何か憑いてて重く感じたんじゃね?』

もう辞めろ

お前も知ってるだろ、俺は運動が苦手なんだよ

ミカは楽しそうに笑っていた

俺は、残りのおこずかい計画の中に悪霊退散グッズを集める事を誓った






昼休み

飯を食おうとした瞬間、

オカルト研究部の映出貞子が俺に近づいて来た

腹は減り果ててた為、この飯がだんだんごちそうに見えてきた

貞子がどんどん敵に見えてきました。

映出貞子は、一応クラスのアイドル的存在らしいのだが、

オカルト研究部に所属している為、俺はこいつには関わりたくない

顔は良い。友達になりたいYO!と友達が言ってた。

『ちょっとあんた!』

やべえよ話しかけてきたよこの野郎。

まぁ、無視して弁当を食おう。          と思った瞬間!!!!!

弁当が宙に浮いた。

貞子が俺の弁当を取り上げているのだ

『人が話してるのに何弁当食おうとしてんのよ』

ああん!?殺したろかこの女!!返せ!!生命の源を返せ!!

『あんた、この前いわくつきの部屋に住む事になったらしいわね。』

貞子はそう言っていたので、俺はこう返事した

『弁当返さねえとぶっ殺すぞ』

『この質問に答えてくれたら帰してあげるわ』

俺は、敵意まるだしのオオカミのような顔で、この野郎を睨みつけた

『今度、あなたの家に行ってもいいかしら?』

しょうがない。今日はパンにするか。

俺は席を立ちあがり、購買に向かおうとした

その瞬間、貞子が勢いよく、弁当を机に叩きつけた

『ほら返したわよ!!文字通りあなたの家に上がり込むからね!!』

めちゃくちゃだ

めちゃくちゃな殺意が湧いた

悪霊退散グッズも必要だが、



おこずかい計画表に、しょうがなくデニムのTシャツを省くとしよう。

代わりに包丁買っとこう

肉切りのやつ

しかし、貞子はそれ以上何も言わなかった

住所とか、多分調べがついてるんだろう。

友人が、俺の所に歩いてきやがった

『おい、お前まさか貞子と友達になったんじゃねえだろうな?』

そういえば、貞子は誰とも会話をしようとはしていなかった。

男子生徒が話をしようとしても

『興味無い』『あっそ』等しか返って来なく、貞子から話を出してくる事は一切なかった

よくクラスのアイドルになったな。

『俺はオカルトという物が大嫌いなんだよ』

友人は、『なぁんだ!』と安心した声&笑顔で返答し、自分の席に着いた

俺は、席に着き、弁当のふたをあけた

実家から貰った肉と野菜と卵と米だ。

料理はなんだか得意だった

ミカが物欲しそうに弁当を見ていた

お前食えねえだろ

ミカは残念そうに顔を下げた。

少し半泣きで俺の事を見つめていた






下校

俺は、帰宅部だったぜ。

何もすることがないため、とりあえず家に帰った



ミカは、楽しそうに先に走っていった。

そして、道路に落書きしていきやがった

そして、また走っていった

溜息をつきながら、そのらくがきの所まで歩いて行った

そのらくがきには

「競争」

上等じゃぁぁぁぁぁ!!

負かす!!昨日の朝見たいに負かす!!!!












負けた

勝てるわけないよな。うん。

幽霊だもの、疲れを感じないって言ってるもの

マンションに着いた後は、エレベーターで上まで目指した

朝はエレベーターの気配に気付かず、階段で行きました。

しかし、これで上がる時は楽だ。

俺の部屋は15階だからな。

階段で行けと言われたら発狂するだろう。

エレベーターが故障したら登校拒否してやる




家に着いた。

後ろにミカがひっついている。

正直、こいつの事は良く分からん。天然だと言う事は分かった気がするが

ん?この壁から生えてる手はなんだ?

ん?壁からミカの顔が出てきたぞ?

じゃあ後ろの奴はなんだ?





貞子がくっついていた

『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

俺は、膝まつき、布団の所まで逃げた

『何よ。折角来てやったというのに失礼な奴ね。』

勝手について来た野郎が何を言っている

よし、警察を呼ぼう。

と思った瞬間に、貞子が俺の所に近づいて来た

『今日は泊まらせてもらうわ』

幽霊より怖い発言が来た

『出てけ』

これが率直に無意識に口から出した俺の心からの言葉だった

『嫌よ』

殺したかった

もう俺捕まってもいい。殺したかった

でも、攻撃した瞬間に反撃されそうな気がする

『押し入れ見せてもらうわ』

勝手に人の家をあさろうとしていた。この女

『変な臭いがするわね…………押し入れの中で殺されたのかしら………』

あっ、そこカレーこぼした場所だった。

レトルトカレーとかを器に入れるのが俺は苦手だったので

う○こまきちらしたようになっちまったんだ。拭いたけど

他にもベランダ、トイレ、台所、その他

などを写真に収めやがった

ミカは、そいつの事を不思議そうにじっと見つめていた

『俺の部屋………公開とかしやがったら殺すぞ…………』

貞子は、俺の所に近づき、ミカがいた俺の隣に座り込んだ

『公開?幽霊が映ってたらするわよ。』

ミカは、不機嫌な顔で貞子を見つめた。

うん。呪っていい。呪っていいよ。ミカ。つーか呪え!!呪うんだ!!呪えぇぇぇぇぇぇ!!

そうテレパシーを送ろうと必死に唸ってた瞬間、貞子はさらに俺に近づき、

記念写真を撮るようにカメラを向け、俺と一緒に写した

『何すんだてめぇ…………』

『写るかもしれないでしょ、幽霊』

ミカが、不機嫌通り越して泣きそうだ。

なんかふぇ、ふぇ言ってる

『もういいだろ。こっちもいろいろ忙しいんだ。帰れ』

『泊まるって言ったじゃない。』

俺は、トイレに行こうとしたついでに、ミカを呼んだ



トイレで、俺は言った

『あいつ追い出すぞ』

ミカは、必死に笑顔になろうとしながらでも、ほとんど泣いていた。半泣き顔だった

ほとんど俺に泣きついてる感じだった。

顔のほとんどが俺の胸で埋まっていた

温度があいかわらず伝わらず。

たまに透けて、俺の心臓まで行きそうになったこともあった、

とりあえず、こいつと離れることも重要になってきた。

俺は、ある作戦を思いついた。

ミカは、その作戦をまじまじと聞いた。





俺は、トイレから戻った後、

貞子に

『遅いわよ!』

と怒鳴られた

とりあえず、俺は『買い物に行く』と言った。

しかし、予想外の答えが返ってきた

『こんないわくつきの部屋に女の子一人にするつもり?』

うるせーよ。そのいわくつきの部屋に何時間居るんだてめーは。

もう8時だぞ、小学生のクソガキはあと1時間でお休みの時間だぞ畜生

俺はもう、何も言わずにこの家を出た








乃村がこの家を出た。

正直、二人でこんな所に来るのは好きだが、

一人だと、かなり不安になってくる

私は、恐怖を感じ、その場から動けなくなっていた

『早く返ってきなさいよ………!』

その時、窓から

トントントン

と音が聞こえた

ここは15階

ベランダには誰もいないはず…………

その瞬間

ドン!!

私は、大声を上げながら、その場から逃げた










俺は、ずっと自分の家の玄関のドアを開けた時の死角に居た。

開けた時のドアの向こう側の壁である。

『意外と簡単に出てったな………………。』

俺は、そいつに散々呆れながら家に帰った。

そこには、ミカが笑顔で出迎えてくれた。

水を飲もうと台所に行くと、ミカもついて来た。ついて来るな


しかし、これでもうあの野郎もこの家には来ないだろう。

完全勝利と言わざるを得ない。

今日、初めて何かに勝った気がした。

そして、ある程度テレビを見ていた。

見ていたときに、ミカはノートに字を書いた

そういえば、幽霊って物を持てるんだな。

だが、3秒ごとに鉛筆が落ちるので、不便だとは思った。

ミカは、文字を書き終えたらしい。

『あの女の子、好き?』

俺は、即答で

『嫌い』

と言った。

ミカは、少し複雑そうな顔をしていたが、少しだけ嬉しそうだった。









翌日、まーた学校だ。あと4日かキツイ。

登校準備をした後、やっぱりミカはついて来た

学校に着いた後、男子生徒の視線が俺に降り注がれた

なんだか敵意に満ちていた

学校掲示板に、オカルト部の新聞が貼られてあった。

そこには、俺の部屋の心霊写真が写っていた。

貞子と俺とミカが写っている写真    いやミカはぼんやりで恐ろしさを引き出したようだった

そして、何か赤い霧みたいなのがかかっていたが、

男子生徒はそんな事気にしていなかった

男子生徒の視線の先には、俺と貞子が写っている所だった

俺は走った

全速力で走った

後ろでものすごい足音が聞こえた

誤解だ

助けてくれ!!

悪いのは全部あのビッチマンなんだ!!

オカルト部を通り過ぎた時、

そのビッチマンは満足そうな顔でこっちを睨んでいた



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