霧雨の親父さんが無くなったようだ。

葬式には出たが、魔理沙は泣いていなかった。

よほど辛いはずなのに、一番つらいのは彼女のはずなのに

僕は悲しくなり、ついに涙を流してしまった。

泣き声は出さなかったものの、涙だけが流れ出していた。

葬式が終わると魔理沙は

『なぁ、今日お前の店で泊まっていいか?』

僕は別にいいよと、返事を返した。

その時の魔理沙の顔は、微笑んでいた。

『親父さん、気の毒だったね。』

僕がそう言うと、

『別にいいぜ。あいつ邪魔だったし』

と、失礼に言った。

僕は呆れながら親父さんの方に向かった

僕は、親父さんの遺書を見た。

『わたしはむずかしい
 みせにいすわることはむずかしいとしった
 いつも、めを、きゃくのめを見なければいけない
 ここまでにんたいしてきたわたしには
 せいしんここまでか、とおもった
 さいわいろこつなできごとはさいごまでなかった
 ああまりさ、わたしをゆるしてくれ
 いつもいれなかったおれをゆるしてくれ
 おまえがたのしくないおもいでを作ったばっかりに
 おまえはりこうでない娘に育ってしまったか
 いや、おんをあだでかえしたのか
 しかし、のんきなものだったよ俺は。
 このいみする仕事は客の為
 むすめにけなされて当然か
 俺かぞくに何もできなかったのか
 この俺はげすいどうで働く方がお似合いだ
 ろろろろろろろろろろろろろろろ?
 !!!!!!!!!!!!!!!!!』

最後は、何か狂っているように文字がめちゃくちゃだった。

日付はちゃんと書かれていた。5月としか書いてなかったが。

魔理沙は、僕の裾をつかんでこう言った。

『香霖、ずっと私のそばに居てくれるか?』

僕は、静かにうなずくと、

魔理沙も笑顔で返してきた。