肉の壁の向こう側に、木が生えてたよ。

とってもへんてこな木が生えてたんだよ。

私は、その木に近づこうと部屋に入った瞬間、

床も肉だった事に気付きました。

歩くと変な音が鳴って気持ちわるかった。

足に変な汁がついてベタベタした。

肉と肉の隙間に足をはさんだりして、生温かい肉の壁が足を挟んでいるのを感じた

気持ちわるくて泣きだしてしまいました。

足を抜いても泣くのが止まりませんでした。

でも、私はその木に近づきました。

その木は、とっても大きいのに子供みたいでした。

理由は、その木から赤ん坊の声が聞こえたからです。

その声が怖くて、私は泣き叫んでしまいました。

するとその木も泣き叫んでしまいました。

木の枝がミミズが暴れているようにうごめいていました。

まるでやわらかいと思うほど、木の枝はミミズのように暴れていました。

私はとっても怖くなって、これ以上泣けないほど泣き叫びました

いっぱいが溢れた分は、今度はおしっこになって出てきました。

怖かったのに、逃げられませんでした

足がすくんで動けませんでした。

木に切れ目があって、

その切れ目が急に開きました。

その中には大きな目がありました

私はさらにとっても怖くなり、ゲロを吐いてしまいました。

最近は、ろくに何も食べていないのにゲロだけが沢山出ました。

木は、さらに泣き叫びの激しさを増していきました。

木の目から樹液らしきものが流れてきました。

色は赤かったです。

私は、叫んで叫んで叫び続けました

足がすくんで全く動けませんでした。

パンツもおしっこで濡れて気持ち悪いのに

目の前でもっと気持ちわるい何かが居たので、

私は今は最悪でした。

あの男の子が助けに来たら嬉しいな

そう思っていると、肉の壁から大量の血が流れてきました。

肉が裂けて、その中からあの男の子が出てきました。

私は、今すぐにその男の子にしがみつきたかった

今、一番頼れるのはその男の子しか居なかった。

私は、走って大急ぎでその男の子にしがみついた。

抱きついた

泣き叫んだ

その後、男の子は私に向かってこんな事を言いました

『汚い』

私は、服にはゲロがついていて、スカートはおしっこで濡れていました。

でも、私は怖くて怖くてしょうがないので、男の子にしがみつきました。

男の子は、しゃがんで床の肉にナイフを突き付け、正方形に切り取りました。

その肉の下にはスイッチがありました、

切ったのでそのスイッチはすぐに血であふれてしまいました

男の子は、そのスイッチを踏むと、壁から硬いものが出てこようとしていました。

そして、肉が耐えきれんと皮を突き破られると階段が出てきました。

その階段も血まみれでした。

男の子は私の手を握ると、その階段を上っていきました。

するとすぐにその木の枝の部分まで登ってしまい、

そのミミズのような枝は私達に襲いかかってきました

すると、男の子はナイフを取り出し、その枝を切り落としました。

木の枝から透明と赤が混じった液体が噴射しました。

木からとっても大きな泣き声が響きました。

木の枝がさらに激しく動き回りました。

『大丈夫』

男の子はそう言って私の手を握って階段を上り続けました。

肉の天井まで着くと、男の子はナイフでその天井を切り、肉の傷口をききとえぐりだして

穴を広げていきました。

私達が入れるくらいの大きさになると、男の子はその穴に入っていきました。









穴の向こうには、

あの肉の部屋の向こうとは思えない所でした。

芝生があり

チューリップがあり

そして向こうには大きなお城がたくさんありました。

太陽はアルゼンチン国旗の太陽で

雲には目がありました。

私が辺りを見回していると、

男の子は私の背中を蹴り

川に突き落としてしまいました

『あはははははははは!!』

男の子はとっても楽しそうでした。

私もなんだか嬉しくなってきました。

私の体が、どんどん綺麗になっていきました

『これで綺麗になったね。』

男の子は、私の手を再び握りました。

『一緒にお城に行けるね』

お城?

私はどのお城か聞いてみた

『あのお城』

男の子が指した先のお城は

遠くからでも見えるような私の家より大きなお花に囲まれた

そのお花よりも、もっともっと大きいお城でした。

『一緒に行こうよ』

私は、その男の子の手を握り返すと

すぐにそのお城の所に走って向かいました。

しかし、すぐに男の子の方が速くなり、

私はほとんど引きずられている状態でした。

でも、お城まではまだまだ遠いです。

私は、すぐに息切れてしまいました。

助けて!

と男の子に訴えた所

『もうばてたの?』

と少しがっかりしたような声で言いました。

男の子は、そこに居た猫を捕まえて、その猫をねじ切って火を起こしました。

そして、ナイフで川の近くにあった石をさばきました

石の断面は、石ではなく生肉が詰められていました。

その生肉を焼いて、いろんな草をしぼって、青い液体や赤い液体を絞り出して

焼いたお肉にしみこませました。

『どうぞ』

私は、いただきます と言いながらそのお肉を食べました。

とても美味しいお肉でした。今までに食べた事のないお肉

でも、男の子は、もう一つのお肉を食べようとしません。

食べないの?と私が聞くと

『虫が湧いてるからね』

そう言って肉を後ろに放り投げました。

その瞬間、肉が急に蛆虫に変わってどこかに散らばっていきました。

私は少し悲鳴を上げながら男の子の服にしがみつきました

その瞬間、急に暗くなって夜になってしまいました。

男の子は、少し震えていました

『家を作ろう』

男の子はそう言うと木にドアを作りました。

そのドアの向こうには、ちゃんとした家になっていました。

ベッドもあってご飯もありました。

今日は、男の子と一緒に就寝することになったみたいです。

私は、なぜかものすごくドキドキしました。

でも、男の子の方はものすごく震えていました

とてもとても怯えていました

ベッドの部屋が2つあった事は、少し残念だと思いました。

怖いから一緒に寝てくれる?と言ったら

『やだ』と瞬時に言われました。


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